
| 恐竜が絶頂を迎えていた中生代白亜紀、世界各地の海にはモササウルスの仲間が覇を唱えていた。特に西ヨーロッパや北アメリカに多かった。良く海のオオトカゲといわれるが外見はあまり似ていない。手足は鰭となり、太く幅広い尾を持ち、完全に水生に適応していたからだ。しかし頭骨の構造は現在のオオトカゲのそれに酷似していて、かなり類縁が近いものと考えられている。 |
| モササウルスの化石の発見はナポレオンと絡んであまりにも有名だ。1780年頃、オランダのマーストリヒトで未知の動物の顎の骨が見つかり、地元の医者だった C.K. Hoffmann 博士が一人で顎の骨(1.6m)を発掘した。地元の教会に保管されていたのを、オランダに攻め込んだフランス軍が持ち帰った。 これを1795年、パリ自然史博物館がワイン600本の賄賂で手に入れたという。同博物館の G. Cuvier が鑑定し、マース川のトカゲという意味のモササウルスと命名された。 この種 Mosasaurus hoffmani はモササウルスの中でも最大の種で最近の推定では全長17.6mに達する(Lingham-Soliar 1995)。 |
![]() Mosasaurus hoffmani |
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![]() Mosasaurus conodon 全長8.8m(頭骨は1.2m)サウスダコタ |
アメリカでは1869年、Cope によって Mosasaurus maximus が記載された。ニュージャージーの Navesink Formation で発掘された骨格を元にCope は全長23mと推定したが、これはあまりに過大で今日では12.4mと下方修正されている。 1934年にはテキサスの Onion Creek でもテキサス大学生の Clyde Ikins が約9mの個体を見つけている。しかしこの種の化石はまだ不完全で、最近(1999)では hoffmanni と同一種ではないかとの指摘もされている。 |
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実吉達郎氏は「日本の古代獣(1974)」の中で、モササウルスのなかまはヨーロッパ、北アメリカ、ニュージーランドなどに分布していたと言われ、日本での発見例はないが、その発見の予想が確実視されている、と語っておられる。そして日本でもモササウルスの化石が発見された。 北海道の勇払郡穂別町で1982年(背骨、肋骨など)と1995年(頭骨など)にいずれもモササウルスに新種と鑑定される化石が見つかっている。日本国内でのモササウルスの化石の発見は12例あるそうだが、どれも断片的なもので Mosasaurus 属の新種と鑑定されたのはこの2例だけである。 ←北海道苫前郡羽幌町で見つかったモササウルスの顎の骨。約32cm。属種名は不詳。 |